スロージュエリー・ストーリィ


 ■ 父の古い海外土産

「これじゃあサイズも変えられないんですよねェ・・・」

というのが、親子共々ご利用いただくご一家の娘さん。
海外留学も終えた美しい"才女"です。
ヒスイの指輪 ある時、父上の海外土産のひとつを見つけて、お持ちになったのでした。

それはただ単に、石の環ともいえる、ヒスイの指輪です。
これだと、サイズを直すことはできませんので、
指に合わなければ使うことすらできません。

いつまでも家の引き出しに、しまっているのを探し当てて、
娘さんが、あわよくば自分のジュエリーにできないか、と考えたのでした。

それにしても、もうちょっと気が利いたものがなかったのかと、
手抜きとも言いたげな、父のお土産に不満顔のようすでした。




人間が装身具を使い始めた起源は、
呪術的に用いられたのが最初、という説があります。

中でもヒスイは古くから親しまれてきた石で、
マオリ族の翡翠アート マオリ族の使う首飾りなどは、まさにその典型といえます。


★そこで私が考えたスロージュエリー


呪術的に使われた、人類初めてのジュエリーという石ヒスイ・・・

太古の昔の夜といえば、現代人が想像もつかないほどの真の闇です。

マオリ族 わけのわからない病気も恐ろしいものでしょう。
危険な動物にも、いつ襲われるかわからないわけですから
人間はあらゆる自然の猛威に対して、
今では考えられない程の恐れを感じていたはずです。

マオリの装身具としてもそうですが、
こうしたいろいろな脅威に対して、

家族を守る魔よけ

としての役割を、
ジュエリーの起源とする説には思わず納得してしまいます。





そんな意味を持つ「ヒスイ」が、
父の不評のお土産とはいえ、娘さんに渡されることを思い、
指環のデザインは、

家族を守る特別な「お守り」

として、必ず父の思いが伝わるジュエリー、
となるようにしたいと思ったのです。

まず、「石の指環」は娘さんの指にはゆるすぎるサイズを
粘土のように、切って詰めるわけにはいきません。
デザイン画
そこで、内側にサイズあわせ用の地金を用意してはめ込み、
指に合うようにすることで、解決することにしました。

そして、父の娘を守る思いを表すように、
石をガードするアームを数箇所に渡すことを考えてみたのです。

完成!
単なる「石の環」だったこの指輪も、
娘さんも喜んで使えるジュエリーに変身です。

「着け心地も何とも言えない心地よさです、常時つけていますよ。」 (娘さん)

「今まで本当に主人のつまらないお土産・・・!って、散々けなしていたんですがねえ。
こんな風に生まれ変わって、しかもお守りの意味が込められているとは、
なんて素敵なものになったんでしょう。」 (と、感動してお母様)

とても喜んでいただき、こちらもうれしい限りです。






アルソミトラ・マクロカルパへ     スロージュエリー・ストーリィTOPへ     母の形見へ